MIYAGIHIDETAKA × BEDWIN & THE HEARTBREAKERS
シーズンをあえて設けず、デザイナー本人が着たい物、作りたい物を不定期に発表しているMIYAGIHIDETAKA。そのデザイナー、宮城秀貴氏にBEDWIN & THE HEARTBREAKERSが別注を依頼したMA-1ジャケット「MIYAGIHIDETAKA Ex. MA-1 JACKET "DUFFY"」。60年代を彷彿とさせるシルエットのBEDWINのMA-1に、宮城氏本人が一点一点、時間をかけて手作業で加工を入れている。
20歳の頃、入荷日のたびにBEDWINの商品を見に通っていたという宮城氏。その彼がいま、渡辺真史に刺激を与える側にいる。恵比寿のアトリエ兼ショップで、加工の手を動かしてもらいながら、ふたりに話を聞いた。
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「バンダナの人じゃん」
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渡辺 最初は、エディターの阿部勇紀君に紹介してもらったんだ。阿部君と、今までやったことのないところとコラボしたらいいよね、という話をちょうどしていて。どういうブランドがいいと思う?って聞いたら、宮城さんのところがいいんじゃないですか、と。あ、分かった、バンダナの人じゃん、って。僕はバンダナが大好きで、自分たちでもやっていた。少し間が空いて、バンダナ熱がちょうど戻ってきたところに、それをずっとやり続けている人がいると聞いたから。
渡辺 コラボレーションって、普通はないものを足すことだと思っている。全く違うもの同士でシナジーを起こすとか、自分にできないことをやってもらうとか。でも宮城君の場合は、同じようなところを向いている中で、違うやり方をしている人とやったら逆に面白いんじゃないかと思った。会う前から、彼のバンダナ感やヴィンテージ感が一体どういうものなんだろう、という好奇心があったんだよね。
宮城 僕は19歳でこの業界に入ったんですけど、最初からずっとBEDWINを見ていたんです。ちょうど20歳の頃、今も仲の良い友人と、渋谷のお店に入荷日には必ず見に行っていました。
渡辺 嬉しいな。長くやっていて最近嬉しいと思うのは、20歳だった秀貴君が見てくれて、吸収して、今度は自分のアウトプットとして出して、それを僕が見てまた刺激を受ける、というサイクルが感じられるようになったこと。
同じものを好きで、違うやり方で
渡辺 僕がバンダナのシャツを作った時は、バンダナの生地をLAのホールセールで買って、中国の工場で切って貼ってシャツにする、という工程しか頭に浮かばなかった。でも秀貴君は、自分で買い付けに行ってバンダナを買って、そこから抜いて、いろんなフェード、いろんな年代のものを自ら作っている。バンダナという部分で、俺より先に行っている。
宮城 僕も、同じことをやっているブランドとコラボしても意味がないと思っていたんです。BEDWINさんは、僕からすると全く違う。バンダナをずっとやられているのは知っていましたけど、カジュアル感やストリート感は、宮城には出せないものなので。コラボするなら、持っていないものを持っている人とやった方がいい。だから、やる必要性を感じていました。
渡辺 アメカジや古着、ネルシャツやバンダナ。好きなものは被っているけど、それ以外は全く違う。そういう関係は、すごくやりやすいんだよね。
古着が集まらないなら、新品を汚せばいい
渡辺 MA-1のこの加工は、いつ頃から始めたの?
宮城 一昨年ぐらいです。もともとは古着を集めて、加工して展示会に出そうと思っていたんです。でもちょうどその時期、Made in USAの古着でいい状態のものが全然集まらなくて。それならと、新品で作ったものに汚しを入れ始めました。自分でブランドをやっていて、サンプル用のものを自分で作るのがすごく好きだったので、これもできるんじゃないかと。表情がちょっと違うんですよね。
渡辺 ちょうどその頃、僕もMA-1を作っていたんだよね。いろんな年代のMA-1を15着ぐらい集めて、好きなディテールを試していた。今はこれ、というのが60年代のMA-1。きっかけは、僕がオーナーを務めるセレクトショップ「DAYZ」の若いスタッフが着ていたMA-1。もう本当にボロボロで、リブもビヨーンと伸びていて。何回も借りては返して、ようやく近いものができてきた。でも自分が作るものは新品だから、やっぱり雰囲気が違う。
渡辺 そんな時に、打ち合わせの中で秀貴君の加工が目に入ってきて。古着みたいなのに「作りました」って言うから、えっ、これ作ったの?って。展示会ギリギリになって頼んだら「いいっすよ」って。作ってもらったら、自分が思っていたものにすごく近づいたものができてきて、これこれ、と。いろんなものが繋がって、ここに来たと思う。
宮城 渡辺さんが見ていたMA-1を見ずにやったので、本当に大丈夫かなと思っていました。
渡辺 いやいや、本当に、俺が見たやつはこんな感じだったよ。
薄い色から、何度も重ねる
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宮城 最初は薄い色からやっていきます。1回やったぐらいでは色が乗らないので、何度も重ねていく。スプレーして、なじませて、またスプレーして、という作業の繰り返しです。使う量はいつも大体同じで、色に合わせて変えます。
宮城 靴クリームも使います。靴の油を使いたいんです。これは無色のクリームで、塗るとこうやってシミになってくれる。
渡辺 シミをつけてるってことか。汚れがつきそうなところに。ヴィンテージを知らないと、この完成度にはならないよね。
宮城 ポケットの周りだったり、ファスナーの周りだったり。最初はやりすぎたり、やらなすぎたりもしました。古着や自分が作ったサンプルで全部試して、これぐらいが一番いいんじゃないか、というところが分かってきて。
渡辺 一着ずつ、ちゃんと手でやるんだね。あんまり乗らないのが、逆にいいんだと思う。リアルっていうか。
宮城 ネイビーや黒でも、こういう加工をしたことがあるんです。黒は、やってみたら全然分からなかった。ネイビーも分かるけど、これよりは分かりづらい。好きな人しか分からないくらいでした。今回のオリーブが一番分かりやすいですね。ちゃんと見ると、グラデーションが分かると思います。
※ 手作業のため、加工感は一点ずつ異なる。加工を入れたものは、加工前に比べてやや茶色く、黄みを帯びて見える(対談より)。
着て、育てて、自分のものに
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宮城 着てもらって、ここからもっとボロボロになってくると思います。この穴も、日常の生活で引っかかることで広がっていく。今はそのきっかけを作っている段階なので、買った人に完成形へ近づけていただけたらいいなと思っています。
宮城 だから、あえて引っかかりやすい状態にしてあるんです。最終的にはそこを育てて、自分のものにしてほしい。それが僕たちの思いです。汚してはいますけど、多分もっと汚れるはずなので。
渡辺 みんな2着買って比べる人たちじゃないけど、届いたら、加工されているという感じはちゃんとあると思う。実際に着てみると、意外と色がついているなと思うはず。俺は個人的に、この育った感じの方が好き。
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宮城 綺麗なものは、年を取ってからでもいいのかなと思っていて。50代、60代になったら、綺麗なシャツと綺麗なスーツを着たい。今はずっと古着が好きで着てきたので、その延長線で、手を加えたものを着たいんです。だから40代は、ずっとそういうものを作りたい。40代はこういうことをして、50代はこういうことをして、という計画が昔からあるんです。渡辺さんと進めている第二弾のプロジェクトも、その先に向けた準備のひとつです。
渡辺 今日話を聞いて、宮城君はちゃんとビジョンを持って、それに近づけていっているんだなと感心した。いつか秀貴君がスーツを作る日が待ち遠しいね。その時は、また一緒にやる。これを起点に次がある。毎年なのか何年に1回なのかは分からないけど、何かしら一緒にやっていくことが増えたらいいなと思っている。
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発売日 2026.10.31 SAT 12:00
BEDWIN & THE HEARTBREAKERS 公式オンラインストアにて
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最新情報は @bedwin_official、宮城秀貴の活動は @miyagi_hidetaka をフォローしてチェックを。
26AB5669 / MIYAGIHIDETAKA Ex. MA-1 JACKET "DUFFY" PRICE: ¥57,200(税込)
DARK OLIVE











