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KIPSSO × BEDWIN & THE HEARTBREAKERS

KIPSSO × BEDWIN & THE HEARTBREAKERS

対談はKIPSSO氏のアトリエで。左からKIPSSO氏、渡辺真史

対談はKIPSSO氏のアトリエで。左からKIPSSO氏、渡辺真史

ATTITUDE Artistとして活動するKIPSSO氏に、BEDWIN & THE HEARTBREAKERSが別注を依頼したジャケット「BUFFALO JACKET」。1980年代の英国でRay Petriを中心に活動したクリエイティブ集団『BUFFALO』のメンバーがユニフォームとして着ていたMA-1、通称『Buffalo Jacket』に着想を得た一着だ。レギュラーの「BUFFALO」と、KIPSSO氏が制作する一点物のATTITUDE TALISMANSをMA-1に取り付けたカスタマイズモデル「BUFFALO SPECIAL」の2型で展開する。

デザイナーの渡辺真史とKIPSSO氏。世代の違うふたりは、同じBUFFALOの本を手に取り、同じ源流に憧れてきた。そのふたりを引き合わせたのは、BUFFALOの中心メンバーだったバリー・ケイマンのプロジェクトだった。

※ BUFFALO:1980年代のロンドンで、スタイリストのレイ・ペトリを中心に活動したクリエイティブ集団。バリー・ケイマン(Barry Kamen):1963年生まれのアーティスト。レイ・ペトリとともにBUFFALOの中心メンバーとして活動した。

バリー・ケイマンが引き合わせた

渡辺 最初に連絡をくれたのは、バリー・ケイマンのプロジェクトを頼まれていた板谷君。日本のデザイナーで誰がいいかと考えて、俺の名前が浮かんだらしい。でも最初は断ろうとしたんだ。80年代から見てきた、雲の上の人だから。それでも、奥さんがぜひやってほしいと言ってくれていると聞いて、影響を受けた人の頼みなら、どこまでできるかわからないけどやるべきだと思った。

渡辺 いざ撮影となったら、スタイリストがいない。そうしたら板谷君が、バリーにむちゃくちゃ詳しくて、アクセサリーや小物をたくさん持っている人がいる、と。物だけじゃなく知恵も借りたくて来てもらったのが、KIPSSO君だった。会ってみたら、BUFFALOチームの生き写しみたいな人で。これはもう、スタイリングまでお願いした方が早いかもと思った。

KIPSSO 急でしたね。板谷さんとはその前年、バリーの回顧展で出会いました。その翌年、BEDWINの渡辺さんというディレクターがアクセサリーを貸してほしいと言っている、というメールが板谷さんから届いたんです。

KIPSSO もう、ずっと憧れていた世界に関われるなら、何としてでも参加したいという気持ちでした。現場に行ったら、渡辺さんからスタイリングを、と。

渡辺 俺もバリーは好きだったけど、俺より好きなやつがいた、という感覚。研究もしているし、リファレンスも持ってきていて、スタイリストとして呼ばれたくらいの準備ができていた。当時のロンドンのこともすごく詳しくて、しかも若い。継承する人が日本にいたんだと思って、いつか一緒にものづくりができたら面白いなと、そのとき思ったんだ。

渡辺真史

渡辺真史

同じ本を持っていた

渡辺 BUFFALOに最初に惹かれたのは、どこだったの?

KIPSSO 上京したての頃、お世話になっていた古着屋さんに、BUFFALOの本が置いてあったんです。写っている人たちのスタイリングや表情、写真から漂う哀愁、目に宿る志。昔のフランス映画やアメリカン・ニューシネマみたいな目をしていて、わー、これだ、自分だ、って。BUFFALOのリーダーであるRay Petriが生み出す世界観を自分なりに想像し、探求していくうちに、ジュディ・ブレイムやマッシヴ・アタックなど、自分が惹かれて掘り下げていったものが、すべてBUFFALOに紐付いていたんです。

アトリエに置かれたBUFFALOの本

アトリエに置かれたBUFFALOの本

渡辺 その本、俺も持ってるよ。同じやつ。出たときに、絶対買いでしょって買って、事務所にある。

KIPSSO 僕のは裁断ミスのページがあって、個人的なスペシャルなんです。

渡辺 時代は違うけど、俺は80年代、16、7歳の頃に、姉が買ってきたThe Faceやi-Dで知った。ジュディ・ブレイムやバリー、レイのスポーツミックス、マイケル・コスティフのアフリカンミックスが載っていて、超かっこいいと思った。当時はストリートという言葉もなかったと思う。94年にモデルの撮影でロンドンに行って、95年から97年ぐらいまで住んだ。近くにいた先輩たちの、そのまた先輩がBUFFALOチーム。会えないけど、雑誌で仕事は見ていた。まさに雲の上の人たちだった。

KIPSSO イギリスの恩師、マイケル・コスティフ先生の家で資料を見せてもらうと、「このBUFFALOのスタイリングに使っている羽やスポーツウェアなども、全部僕と奥さんが買い集めてきて、当時レイたちに貸し出していたんだよ」という話が出てくるんです。

※ マイケル・コスティフ:80年代からクラブシーンで活動し、トライバルやスポーツミックスの要素をレイ・ペトリに提供していた人物(KIPSSO氏談)。

渡辺 それを、みんなインプットしてたんだと思う。俺も90年代の頭にニューヨークに行ったとき、貝殻のネックレスを着けてた。アフリカンミックスが、マイケルさんのやっていたことだとは知らずにね。

KIPSSO そうですね。マイケルが集めてきたものを、ちゃんと調理してアウトプットしたのがBUFFALOだったと思うんです。

渡辺 知らず知らず影響を受けていた相手が、実はBUFFALOの人たちだった。歳を重ねた洋服好きならみんな知っているはず。でも若い世代はわからない。そこにKIPSSO君が現れて、これは何だろうと思ったところから調べていって、マイケル・コスティフにまで行き着いた。正解を導いた人だよね。

KIPSSO いつも開拓しかしてない気がします。

KIPSSO バリーもインタビューで言っていたんですけど、ファッションを見せるのが今のスタイリスト。でもBUFFALOは、スタイルを作って見せる人たちだった。それが彼らの言う「スタイル&アティチュード」なんだと思うと、僕の人生のモットーにも近い。ちょっといただこうと思って、スタイル&アティチュードと思って生きています。

アトリエに掲げられた「ATTITUDE」の旗

アトリエに掲げられた「ATTITUDE」の旗

ようやくできたMA-1に、目が入った

渡辺 カルティエのサングラスにヴィンテージのTシャツ、トラックスーツのパンツ、みたいなミックスは当時なかった。それをスタイリングとして表に出したのが、BUFFALOの人たちだと俺は思う。MA-1もそう。アメリカの軍の放出品で、安いからアメリカ人が着ていた。そのかっこよさに気づいて取り入れたイギリス人が、多分BUFFALOチームなんだと思う。

渡辺 KIPSSO君と初めて会ったとき、彼はMA-1を着ていたと思う。俺はその前からずっとMA-1を作ろうとしていたんだけど、なかなか納得いくものができなかった。それが、バリーのプロジェクトで紹介してもらった生産の方に作ってもらったら、ようやく納得のいくものができた。じゃあこれでKIPSSO君と何かできたら、と思ったのが今回のきっかけ。全ては、バリーの思し召しだね。

アトリエに掛けたBUFFALO JACKETを前に

アトリエに掛けたBUFFALO JACKETを前に

渡辺 俺たちは、アウトプットが全然違う。俺はいわゆるエフォートレスで、なるべく手数を少なく、それでもスタイルがあるように見せるにはどうするかをひたすら考えてしまう。KIPSSO君は、足して、引いて、また足して、という手数がすごくある。これを作るのにどれだけの時間と作業がかかっているのか、計り知れない。

渡辺 俺は素体を作る方が好きで、何もないシンプルな、でもすごくいいと思われるMA-1を作りたい。そこにKIPSSO君が重なって、面白いシナジーが生まれた。魂が入った感覚がある。これは俺には絶対にできない。KIPSSO君に出会ったことで完成したMA-1なんだと思う。

BUFFALO JACKETに手を添える渡辺真史

BUFFALO JACKETに手を添える渡辺真史

KIPSSO BUFFALOに憧れて、本を買って調べて、自分のスタイルに落とし込んできた。その中で、納得のいくMA-1を自分で作るのはひとつの夢でした。実現できたこと自体、明日死んでもいいかも、というくらいのレベルです。

赤い裏地、白いスラッシュ、恩師のバティック

渡辺 色はKIPSSO君に決めてもらった。レスキューオレンジじゃなくて赤がいいです、と言うから、黒に赤。そこからKIPSSO君が考えたアクセサリーを作ってもらって、後ろにラインを入れてみようとか、少しずつ試行錯誤しながら、2つのモデルができた。

※ 表地が黒、裏地が赤。

KIPSSO 僕が率いるTHEKILLERのメンバーの背中には、赤い「KILLER SLASH」が描かれているんです。メンバー以外の方には白がいいかなと、自分の中で勝手に決めていて。今回も白にしてみたんですが、結果的にすごく映えましたね。

KIPSSO 胸と腕の白黒の生地は、マイケル・コスティフ先生からいただいた、古いアフリカのバティックです。マイケルは奥さんと70年代から80年代に世界中を巡って、集めてきたものを洋服やアクセサリーにしてきた、民族衣装のパイオニアのような人。その人からいただいたものには、魂が宿っていると思う。

胸に付けたバティック

胸に付けたバティック

渡辺 当時のヴィンテージで、しかもマイケル・コスティフのもの。これでまた本物に近づくよね。

KIPSSO BUFFALOのスタイリングには、どこかに人の写真を入れたり、メッセージを込めたりするところがあるんです。このバティックを、その写真に見立てました。ミリタリーに違うニュアンスが入ることで、ニュージェネレーションのBUFFALOスタイルになるんじゃないかと。

ビジュアルもTHEKILLERで

KIPSSO コロナ禍でみんな家に閉じこもっていたとき、ふと、自分はいろんな人に生かされているんだと思ったんです。マイケル・コスティフ、会ったことはないけどレイ・ペトリ、バリー・ケイマン、ジュディ・ブレイム。その魂を、僕は勝手に受け継いでいると思ってしまった。それを残して、次の世代に伝えていくのが自分の役目なんだろうと。そこで年下の子たちに声をかけて、みんな外に出ていないけど外で撮影しようぜ、と仲間を集めたのがTHEKILLERの始まりです。みんなストリートで出会った仲間です。

KIPSSO氏

KIPSSO氏

渡辺 そういう話を聞いていたから、ビジュアルの撮影はTHEKILLERでやるしかないと思った。見ているところが近い人たちの集まりだから、塊としてすごく強い。モデルも、KIPSSO君本人にお願いした。

KIPSSO ちょっとギョッとしましたね。

渡辺 作った本人が着て見せるのが、一番説得力があるし、責任があるから。

KIPSSO そうなんですよ。責任なんですよね。

着るお守り

渡辺 カスタムは俺の中でもキーワードだけど、自分で手を動かすDIYは俺にはない。だから、すごく憧れる。職人であり、アーティストであるKIPSSO君でないとできないことだと思う。

アトリエの壁一面に並ぶ、KIPSSO氏のアクセサリー

アトリエの壁一面に並ぶ、KIPSSO氏のアクセサリー

KIPSSO これまでジュエリーや洋服のカスタムを500点くらい作ってきましたが、根っこにあるのは、誰かのお守りになったらいいな、という思い。身につける人のモチベーションを上げたり、気持ちを豊かにしたりするものを作り続けるのが、僕自身のお役目だと思っています。それを、BEDWINさんに作っていただいたベースに合わせられたのは、すごく有意義でした。

KIPSSO氏の手元

KIPSSO氏の手元

KIPSSO THEKILLERの若い子や友達、セレクトショップで買ってくださった方を街で見かけたら、すごく嬉しくなると思います。

渡辺 嬉しくなるよね。かなり限定的で、手作りで、DIYで、当時の息吹を継承したもの。ちゃちゃっとやったものじゃなく、すごく練り込まれたもの。大量生産はできないから、世界にいくつもない。それを着たいと思う人は、選ばれた人だと思う。その人たちがこれを着ていくと考えただけで、ワクワクする。

渡辺 そのうちの一着は、バリーの奥さんに、2人でプレゼントしようと話していて。海を越えて、ロンドンに旅立っていく。

渡辺 見た目のTシャツやパンツではなく、魂を受け継いだKIPSSO君と何かができた。それを、きっかけを作ってくれた人に戻せたっていうのは、今までやったコラボの中でもかなり意味がある。

KIPSSO 僕が普段作り続けている作品たち全てを「ATTITUDE TALISMANS」と呼んでいて。タリスマンズは、お守りという意味です。胸についているのもお守りだし、MA-1そのものも着るお守り。そこまで重く捉えなくても、着てもらえればわかると思います。

渡辺 ひとつのユニフォームであり、一張羅であり、スタイル&アティチュードそのものだよね。

胸に取り付けたATTITUDE TALISMANS

胸に取り付けたATTITUDE TALISMANS

KIPSSO氏のアトリエにて。左から渡辺真史、KIPSSO氏。

KIPSSO氏のアトリエにて。左から渡辺真史、KIPSSO氏。

※ レギュラーの「BUFFALO」はオリジナル缶バッジ付属。「BUFFALO SPECIAL」は、KIPSSO氏が制作する一点物のATTITUDE TALISMANSをMA-1に取り付けたカスタマイズモデル。

発売日 2026年10月24日(土)12:00
BEDWIN & THE HEARTBREAKERS 公式オンラインストア、並びに取扱店にて

BUFFALO SPECIAL を見る  BUFFALO を見る

SPECIAL RELEASE EVENT & KIPSSO POP-UP STORE
2026年10月24日(土)・25日(日)14:00〜20:00
ARCD STORE(東京都目黒区自由が丘1-14-1 2F)

BUFFALO JACKETのリリースにあわせて、ARCD STOREでSPECIAL RELEASE EVENTを開催。同時に、KIPSSO氏のATTITUDE TALISMANSをセレクトしたKIPSSO POP-UP STOREもオープンする(一部新作あり)。会場では今回のコラボレーションアイテムも展開。当日はFOOD & DRINKも用意。

詳細は @arcd_store へ

PROFILE

KIPSSO

KIPSSO(Koki Kitaura)
日本を拠点に活動するATTITUDE Artist。
「KEEP YOUR SOUL」を名の由来とし、人やカルチャーから受け継いできた物や思想を背景に、「STYLE(外面)& ATTITUDE(内面)」を軸とした表現を続けている。
ジュエリーや衣服、スタイリング、ビジュアル表現など活動は多岐にわたり、クリエイティブコレクティブ「THEKILLER」も率いる。
直感から生まれる一点物の作品群「ATTITUDE TALISMANS」を、身につける人のATTITUDEと結びつく「現代の御守り」として制作している。

@kipsso_kokikitaura / @kipsso_attitudejewelry

最新情報は @bedwin_official をフォローしてチェックを。

26AB5668 / BUFFALO JACKET SPECIAL "BUFFALO SPECIAL" PRICE: ¥132,000(税込)
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26AB5666 / THEKILLER Ex. BUFFALO JACKET "BUFFALO" PRICE: ¥48,400(税込)
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